短時間の超低周波電磁界(ELF-EMF)曝露が呼吸機能に与える影響

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▶Effect of short-term extremely low-frequency electromagnetic field on respiratory functions(2025)― 短時間の超低周波電磁界(ELF-EMF)曝露が呼吸機能に与える影響
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40465999/
ラットに対して「50Hz・0.3mT」という超低周波磁場を2分間だけ照射し、その前後で呼吸機能がどのように変化するかを調べた研究です(mT=ミリテスラ。一般家庭の寝室で見られる磁場は 0.01〜1µT 程度であり、この実験条件は日常より桁違いに強い環境です)。
実験では、照射“中”に呼吸回数が低下し、一回換気量や吸気時間がわずかに増えるなど、生理的な反応がみられました。しかし、照射終了後はこれらの値は速やかに元へ戻り、持続的な異常は確認されませんでした。
この結果は、ごく短時間の強い低周波磁場が呼吸リズムに一時的に影響を与えうることを示していますが、日常生活では遭遇しない強度の磁場で得られた実験的知見です。人への健康影響をそのまま結論づけるものではなく、あくまで「生体が急性刺激にどう反応するか」を理解するための基礎研究と位置づけられます。今後は、より現実的な磁場強度での研究や、長期的な評価が求められています。

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