妊娠中の高周波曝露が、その後の子の甲状腺に関係するかを調べた動物研究が報告されました。発達期の環境を考えるうえで、協会が注目する研究の一つです。
どのような条件を調べた研究?
実験群の母ラット8匹に、妊娠中、2.45GHzの高周波を1日24時間曝露しました。論文の要旨に示された全身平均SARは12mW/kg、最大点SARは25mW/kgです。全身平均と最大点の値は区別して読みます。
1年後に報告されたこと
出生後1年の甲状腺で、組織の変化、アポトーシスの増加、DNA二本鎖切断の指標が報告されています。出生前の曝露と、その後の組織の状態との関係を検討した研究です。
協会が注目する点
協会は、体感の有無だけでなく、発達段階や曝露時間も含めて環境を考えることが大切だと考えています。不要な通信機器との距離を取るなど、無理のない予防的な工夫をおすすめします。
動物実験の結果から、人の日常使用で同じ変化が起こると直接判断することはできません。一方、周波数とSARの値だけで「日常よりはるかに強い極端な条件」と決めつけることも適切ではありません。動物と人の違い、1日24時間という曝露、測定・解析条件を分けて検討します。この研究は、アーシングによる影響低減を調べた実験ではありません。
出典
One-year follow-up of thyroid status in rats exposed to 2.45 GHz radiofrequency radiation during the prenatal period。2025年オンライン公表。doi:10.1080/15368378.2025.2577318。
